Google Cloud認定資格とは?一覧からメリット、合格のコツを解説

資格取得

AWSAzureと共に3大パブリッククラウドと呼ばれるGoogle Cloudを勉強するきっかけとして認定資格に興味を持ったけれど、どんな種類があって、どれを選べばいいのか迷っていませんか?この記事では、Google Cloudの認定資格について、一覧、選び方のポイント、メリットと合格のコツまでをGoogle Cloud認定資格保有者の筆者が解説します。この記事を読めば、Google Cloud認定資格の全体像を把握でき、あなたにとっての学びの第一歩を踏み出すヒントになるはずです。

1.Google Cloud認定資格とは?

Google Cloud 認定資格とは、Google社が提供しているGoogle Cloud に関する公式の認定資格です。

インフラ開発やDevOpsなどのテクノロジー分野ごとに認定資格が用意されているため、認定資格を取得することでその分野における知識を有していることが証明できます。

下記は、Google Cloud 認定資格に関する情報が記載されている公式ドキュメントです。

参考 : https://cloud.google.com/learn/certification/?sjid=15174052845407864817-AP&hl=ja

2.Google Cloud認定資格を取得するメリット

Google Cloud認定資格を取得することで得られるメリットには、転職や就職の武器になること、学習した成果をアピールできることなど、さまざまなものがあります。

本章では、筆者自身の経験を含めて特に重要だと考える2つのメリットをご紹介します。

2-1.Google Cloudに関する知識が身につくことで成長の機会を得られる

Google Cloudを業務で使用する場合、Google Cloudに関する知識があれば、得た知識を判断材料や思考の一助として活用できます。そのため、知識を活用することで対応力や課題解決力が向上し、現場での更なる活躍や自己成長に繋げられるのは想像できるかと思います。

2-2.自身をセルフブランディングし、挑戦の機会を増やせる

Google Cloud認定資格を取得することは、単に知識を証明するだけでなく、自分自身をセルフブランディングする手段にもなります。たとえば、これまでGoogle Cloudを業務で使用した経験がない場合でも、「Google Cloud認定資格保持者」という肩書きは、採用面接やプロジェクト参加の面談の場でアピールポイントとなり、これまでになかったチャンスを掴む可能性が上がります。これについて筆者は、これからGoogle Cloudを業務で使用したいと考えている方にとって非常に大きなメリットだと考えています。筆者も最初は未経験でしたが、認定資格を取得することで認定資格を活用できるようなクラウド使用した設計・構築案件に参画できた経験があるからです。ですので、セルフブランディングの一環として認定資格を取得することは、自分自身のキャリアの幅をより広げる一助になるはずです。

3.Google Cloud認定資格の一覧をレベル別に解説

2024年12月現在、Google Cloud 認定資格は全部で13個あり、13個の認定資格をレベル別に分けると、Foundational(基礎)レベルが1つ、Associate レベルが3つ、Professional レベルが9つとなります。これらの試験の試験名、レベル別に推奨のGoogle Cloud経験年数を本章にて紹介していきます。

本章で用いている情報は202412月時点の情報です。各認定資格に関する最新情報が記載されたURLを参考として記載していますので受験される際はそちらを合わせてご確認いただくことを推奨します。

[図1] Google Cloud 認定資格一覧(公式ページを基に作成)

Google Cloud 認定資格一覧

3-1.Foundational レベル

Foundational レベルでは唯一、Cloud Digital Leaderが該当します。Cloud Digital Leaderは、Google Cloudの基本概念やそのビジネス活用に焦点を当てた試験です。技術的な知識が求められるわけではなく、クラウドを活用することで得られる利点やGoogle Cloudの主要サービスをどのように活用できるかを問われる認定資格となっています。
試験の受験料、日本語受験可否、認定資格の有効期間、試験時間、推奨の経験は下記となります。

資格名 受験料 日本語受験 有効期限 試験時間 推奨のIT経験
Cloud Digital Leader $99(税別) 3年 90分 特になし

引用: https://cloud.google.com/learn/certification/cloud-digital-leader?hl=ja

3-2.Associate レベル

Associate レベルは下記3つの認定資格があり、Google Cloudを用いた経験が半年〜1年程度の初級エンジニア向け認定資格になります。

・Associate Cloud Engineer

Google Cloudのソリューション、運用、モニタリングなどに必要な基本的な知識を問われる資格です。比較的広い範囲から出題されるためしっかりとした対策が必要になります。

・Associate Data Practitioner(2025年1月より受験可能)

Google Cloudのデータの取り込み、変換、データパイプラインなどのデータ分析に必要な基本的な知識を問われる資格です。20251月より申し込みが可能になる新しい認定資格です。

・Associate Google Workspace Administrator(2025年1月より受験可能)

Google Workspace の日常的な管理業務や、トラブルシューティングに関する知識を問われる資格です。Google Workspace 関連の認定資格として後述するProfessional Google Workspace Administrator がありますが、その資格が廃止になるのと入れ替わる形で20251月より申し込みが可能になる新しい認定資格です。

試験の受験料、日本語受験可否、認定資格の有効期間、試験時間、推奨の経験は下記となります。

資格名 受験料 日本語受験 有効期限 試験時間 推奨のIT経験
Associate Cloud Engineer $125(税別) 3年 120分 Google Cloud : 6ヶ月以上
Associate Data Practitioner $125(税別)

不可(英語のみ)

3年 120分

Google Cloudデータ関連業務 :6ヶ月以上

Associate Google Workspace Administrator $125(税別)

不可(英語のみ)

3年 120分

Google Workspace管理者 : 6ヶ月以上

引用: Associate Cloud Engineer
https://cloud.google.com/learn/certification/cloud-engineer?hl=ja

引用: Associate Data Practitioner
https://cloud.google.com/learn/certification/data-practitioner

引用: Associate Google Workspace Administrator
https://cloud.google.com/certification/associate-google-workspace-administrator

3-3.Professional レベル

Professional レベルは下記9つの認定資格があり、Google Cloudの各分野の専門的な知識を活用したシステム開発を進めるエンジニアに向け認定資格です。

・Professional Cloud Architect

Google Cloudに関する信頼性や可用性のソリューションなどの専門的な知識が問われる認定資格です。筆者も保有している資格で、出題範囲となっているGoogle Cloudのサービスが多数あり、それらが満遍なく出題されます。

また、Professional Cloud Architectでは単に知識を問われるだけの問題だけではなく、「与えられたビジネス要件を満たすために必要なGCPサービスを選定する」といったケーススタディの問題も出題されます。

・Professional Cloud Database Engineer

Google Cloud でのデータベースの設計、展開、管理などに関する知識が問われる認定資格です。データベースの最適化やパフォーマンスチューニングなどのデータベースに関する知識がベースとなっているため、データベースエンジニア向けの認定資格となります。

・Professional Cloud Developer

Google Cloud を用いてアプリケーションを設計・開発・デプロイする知識が問われる開発者向けの認定資格です。また、コンテナ化やマイクロサービス、イベント駆動アーキテクチャなどの開発者にとっての基本的な知識も必須となっています

・Professional Data Engineer

Associate Data Practitioner より専門的なGoogle Cloudのデータの取り込み、変換、データパイプラインなどのデータ分析に必要な知識を問われる資格です。下表の「推奨のIT経験」が他Professional資格と異なっていることから合格するには一層深い対策が必要となります。

・Professional Cloud DevOps Engineer

Google Cloud でのアプリケーション運用管理、インフラの監視、自動化、CI/CD パイプラインの設計など、運用効率を高める知識が問われる認定資格です。Professional Cloud Developerと同様に開発者向けの認定資格になっています。

・Professional Cloud Security Engineer

Google Cloud でのインフラやアプリケーションを保護するセキュリティに関する知識が問われる認定資格です。インフラエンジニア/開発者向けの認定資格となります。

・Professional Cloud Network Engineer

Google Cloud でのネットワークの設計、管理、セキュリティなどに関する知識が問われる認定資格です。インフラエンジニア向けの認定資格となります。

・Professional Google Workspace Administrator(2024年12月31日廃止)

Google Workspace の設定、運用、セキュリティ管理を行う知識が問われる認定資格ですが、この資格は20241231日に廃止予定です。2025年以降はAssociate Google Workspace Administratorが同内容の認定資格となります。

・Professional Machine Learning Engineer

Google Cloud で機械学習モデルを設計、実装などに関する知識が問われる認定資格です。機械学習に関する知識がベースとなっているため、AIエンジニア向けの認定資格となります。

試験の受験料、日本語受験可否、認定資格の有効期間、試験時間、推奨の経験は下記となります。

資格名 受験料 日本語受験 試験時間 推奨のIT経験
Professional Cloud Architect $200(税別) 120分 業界経験: 3年以上
Google Cloud : 1年以上
Professional Cloud Database Engineer $200(税別) 不可(英語のみ) 120分 業界経験: 5年以上
Google Cloud : 2年以上
Professional Cloud Developer $200(税別) 120分 業界経験: 3年以上
Google Cloud : 1年以上
Professional Data Engineer $200(税別) 120分 業界経験: 3年以上
Google Cloud : 1年以上
Professional Cloud DevOps Engineer $200(税別) 120分 業界経験: 3年以上
Google Cloud : 1年以上
Professional Cloud Security Engineer $200(税別) 120分 業界経験: 3年以上
Google Cloud : 1年以上
Professional Cloud Network Engineer $200(税別) 120分 業界経験: 3年以上
Google Cloud : 1年以上
Professional Google Workspace Administrator $200(税別) 120分 業界経験: 3年以上
Google Workspace : 1年以上
Professional Machine Learning Engineer $200(税別) 不可(英語のみ) 120分 業界経験: 3年以上
Google Cloud : 1年以上

引用: Professional Cloud Architect
https://cloud.google.com/learn/certification/cloud-architect?hl=ja

引用: Professional Cloud Database Engineer
https://cloud.google.com/learn/certification/cloud-database-engineer?hl=ja

引用: Professional Cloud Developer
https://cloud.google.com/learn/certification/cloud-developer?hl=ja

引用: Professional Data Engineer
https://cloud.google.com/learn/certification/data-engineer?hl=ja

引用: Professional Cloud DevOps Engineer
https://cloud.google.com/learn/certification/cloud-devops-engineer?hl=ja

引用: Professional Cloud Security Engineer
https://cloud.google.com/learn/certification/cloud-security-engineer?hl=ja

引用: Professional Cloud Network Engineer
https://cloud.google.com/learn/certification/cloud-network-engineer?hl=ja

引用: Professional Google Workspace Administrator
https://cloud.google.com/learn/certification/google-workspace-administrator?hl=ja

引用: Professional Machine Learning Engineer
https://cloud.google.com/learn/certification/machine-learning-engineer?hl=ja

4.ケース別 おすすめ認定資格

認定資格について大まかに把握できたところで、最初にどの認定資格について受けたらいいか迷われていないでしょうか?

本章では2つのケース別に、オススメの認定資格をご紹介します。

4-1.AWSなどの他クラウドベンダーについての知識がある方

AWSなどの他クラウドベンダーについての知識があり既にパブリッククラウドの概念を理解している方は最初にアソシエイトレベルのAssociate Cloud Engineerを受験するのがオススメです。Associate Cloud Engineerでは実際にGoogle Cloudのサービスに関わるような問題が広く出題されるため、既にパブリッククラウドに関して理解している方がGoogle Cloudの知識を獲得するのにおすすめの資格になリます。

4-2.これからパブリッククラウドについて勉強しようと考えている方

これからパブリッククラウドについて勉強しようと考えている方はCloud Digital Leaderを受験するのがおすすめです。Cloud Digital Leaderではパブリッククラウドの概念に関する問題が出題されるため、パブリッククラウド入門に最適な資格でクラウド未経験のみならず、非エンジニア職の方にもおすすめです。

5.合格者が語る!Google Cloud認定資格の合格の秘訣

Google Cloud認定資格を取得するためには、しっかりとした準備が欠かせません。ただし、資格試験は闇雲に勉強するのではなく、戦略を立てることで合格の可能性を格段に高めることができます。ここでは、筆者が実際に心掛けている合格の秘訣をいくつかご紹介します。

5-1.教材は下調べしてから決定させる

資格勉強をする上で最も大切と言ってもいいものは教材です。なぜなら、適切な教材は理解を深める過程の一助となり、効率的な学習が可能になるからです。

筆者が具体的にどういった教材をどういった観点で選んでいるか以下に示します。

 

どういった教材を候補とするか

Udemyのビデオ教材や演習問題

WEB上で提供されている問題集

YOUTUBE

・書籍

どういった観点で教材を決定するか

・ユーザーレビュー(評判)が良いか

QiitaZennなどのエンジニア向けのナレッジ共有プラットフォームに投稿された合格体験記で紹介されているか

筆者は、上記観点で教材を選定し、インプットとアウトプットをするように心掛けています。

具体的にどんな教材を選んだらいいか思われる方もいると思います。そのため、「4 ケース別 おすすめ認定資格」で紹介した認定資格で202412月時点にリリースされている教材について筆者が実際に選定してみたリストを以下にまとめていますので参考にしてみてください。ただし、以下の情報を鵜呑みにせず自分で調べて納得できるものを選定するのがベストと考えているため参考程度に留めておくのを推奨いたします。

資格名 教材の種類 教材 選定理由
Cloud Digital Leader 参考書 合格対策 Google Cloud認定資格Cloud Digital Leader テキスト&演習問題 ・筆者がGoogle Cloudに精通し、発信・啓蒙を行っていること
・高評価レビューが多数あること
問題集 Cloud License ・高評価レビューが多数あること
・問題数が豊富であること
YOUTUBE Google Cloud認定Cloud Digital Leader対策トレーニング(YouTube版) ・ポイントを押さえた解説をしている
・無料で視聴ができる
Associate Cloud Engineer 参考書 (模擬問題付き)徹底攻略 Google Cloud認定資格 Associate Cloud Engineer教科書 ・「徹底攻略」はシリーズ化されており全体的に受験者にとってわかりやすいように配慮されている
問題集 Cloud License ・高評価レビューが多数あること
・問題数が豊富であること
YOUTUBE 【GCP】Google Cloud Platform認定 Associate Cloud Engineer解説動画【Google Cloud ・ポイントを押さえた解説をしている
・無料で視聴ができる

5-2.参考書等でインプットする前に問題を解いてみる

資格勉強では、参考書を読んで理解してから問題集を解き始める流れがよくあるかと思います。

しかし、その流れではなく最初に問題を解いてみることを筆者は推奨します。

この方法を採用する理由は以下の通りです。

・問題を解いてみて「なぜこの選択肢が答えなのか?」などの「なぜ」の疑問が生じ、それを解消する過程で自然と理解が深まる。

・実際の試験でどのような形式で問われ、どのような選択肢が解答になる傾向があるかを把握できる。

これらのメリットを活かすために、筆者は以下の流れで学習を進めています。

1.問題を解くことでアウトプットを重視する。

2.解説を読んで理解が不十分な箇所については、参考書やハンズオンなどを活用しながら「なぜ?」を解決する。

 

こうすることで、必要な知識を効率的に身につけることができ、試験対策をより効果的に進められると考えています。

6.最後に

本記事では、Google Cloud認定資格の概要や取得のメリット、さらには合格のコツについて解説しました。

資格取得はゴールではなく、実践的なスキルを積み重ねるためのスタートラインです。

しかし、その過程で得られるメリットはたくさんあり、筆者も身をもってそのメリットを実感しております。

是非、あなたのキャリアの可能性を広げるための第一歩として、Google Cloud認定資格に挑戦してみてはいかがでしょうか。

 

 

 

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